若手薬剤師が語る挑戦と成長の一年目
プロローグ
くるーず薬局では、新卒社員や若手社員の教育に力を入れ、成長を支える環境を提供しています。今回のインタビューでは、2022年に新卒で入社し、学生時代からアルバイトとして関わっていた薬剤師・山本さんに、リアルな1年目の仕事内容とその経験についてお話を伺いました。山本さんがどのようにして薬剤師として成長し、どのような挑戦をしてきたか掘り下げていきます。
常識にとらわれない入社のきっかけ
本日はよろしくお願いいたします。
山本さんは学生時代もくるーず薬局でアルバイトされていたんですよね?
山本さん
はい。アルバイト時代も含めると現在5年目です。くるーずでは本当にいろいろな経験をさせてもらいました。社員になってからは、責任のある仕事が増え、最初は戸惑いもありましたが、その分成長を感じられる環境でもありました。
アルバイトと社員では、どんな違いがありましたか?
山本さん
アルバイト時代は主に社員さんのサポート業務をしていましたが、社員として働くと、対患者さんへの業務に変わっていったので、同じ会社とはいえ、180度業務内容が変わった感覚でした。入社してすぐに、自分の判断が直接患者さんの健康に影響するということに気付きました。学生ではなく社会人になったことでも、求められる社会的な立場や役割についても考え方が大きく変わりましたね。同時に、薬剤師としての使命が芽生え始めた時期でもあったので、責任感も加わりましたし、仕事に対するやりがいも感じました。
アルバイトから社会人へ気持ちの変化
入社日のことは覚えていますか?
山本さん
はい、鮮明に覚えています。入社式を開いていただいて、そこで初めて「これから薬剤師として社会に出るんだ。」という実感がわきました。とはいえ、研修体制も整っていたので、最初の3か月間は、先輩方が常にバックアップしてくれていましたし、他業種の新卒入社の方たちと合同で行う外部研修にも参加させてもらいました。
それぞれの研修内容はどんな内容でしたか?
山本さん
外部研修では、名刺交換やマナーなど、社会人としての基本的なスキルを学びました。研修内容とは異なりますが、他業種の同世代と交流できたことはとても良い刺激になりました。新卒入社として入ったのは僕一人でしたが、同世代の仲間ができたのは嬉しかったですね。くるーずの研修では、最初の3ヶ月間は座学とOJT(※1)でした。薬のチェックや患者さんへの対応は先輩を見ながら学びつつ、日々与えられた業務をこなして薬剤師としての仕事を覚えていくような感じでした。
※1…職場で実際の業務を通じて行われるトレーニングや教育のことを指します。新人や未経験者が、先輩社員や上司から指導を受けながら、実際の業務を体験しつつスキルや知識を習得する方法です。
独り立ちまではどのような流れでしたか?
山本さん
入社して3か月が過ぎると、外来対応や薬の監査などの基本的な薬剤師業務は、できるところから徐々に一人で担当させてもらえるようになりました。困った時にはすぐ先輩に相談できる環境だったので、一人でも安心して仕事に取り組めました。この時期から、先輩に同行しながら在宅訪問の対応や業務内容も覚えていきました。
OJTや研修は決められたカリキュラムがありますか?
山本さん
いえ、完全に決まったカリキュラムはありません。くるーず薬局では、一人ひとりの成長速度に合わせて先輩方が指導してくれたり、その人に応じた研修内容が決められていくので、研修期間の長さや独り立ちのタイミングは、人により異なると思います。
初めて一人で在宅訪問を担当した時のことを教えてください。
山本さん
初めて一人で個人宅を訪問したのは、確か入社して約10ヶ月目くらいです。年が明けてからは、ほとんど一人で対応できるようになっていました。今思い出しても、最初はとても緊張しましたね。特に在宅は患者さんのご自宅に直接伺うので、些細な判断ミスが命に関わることもあり、外来とはまた違った責任感がありました。
外来の時とは具体的にどういった点が違いましたか?
山本さん
外来では、薬局というこちらの整った環境で患者さんを迎えるので、薬の管理や確認がしやすいですし、緊急時には他のスタッフがすぐに対応できます。ですが、在宅では、患者さんの住環境に依存する部分が大きく、その場での判断力や柔軟な対応が求められます。たとえば、必要な機器が手元にないときは、持ち帰って後からフォローするなど、臨機応変な対応が必要になる場面が多いですね。
在宅では、外来と比べて患者さんとの関わり方に違いはありますか?
山本さん
そうですね、外来だと診療時間が限られているため、比較的短期間での対応が多いですが、在宅では長期間にわたって患者さんと関わることが多く、定期的に訪問する中で体調の変化や日常生活の変化に敏感でいる必要があります。患者さんの家の状況を直接見て、日常生活がどのように薬の効果や副作用に影響しているかを総合的に判断できるのも、在宅ならではの大きな学びです。
薬剤師のワークライフバランス
薬剤師という仕事は責任も大きく、プライベートとの両立が難しそうなイメージですが、どのようにバランスを取っていますか?
山本さん
最初の1年は仕事に慣れるのに必死でしたが、次第に自分なりのリズムが掴めるようになりました。先輩方も、スポーツや音楽など多様な趣味をもっている方が多いので、休日の過ごし方も参考にしていました。僕の場合は、旅行やカメラが趣味なので、休日も楽しく過ごしています。
休日の過ごし方も、働く上でとても大切なことですね。薬剤師は、常に学びが必要な職業だと思いますが、どのように勉強していますか?
山本さん
そうですね。業務での学びもありますし、日頃から常に更新されていく薬の知識もアップデートし続けていく必要があります。ですが、くるーずでは勤務時間と勉強時間をきちんと分けて管理してくれますし、定期的に社内勉強会もあるので、無理なく続けられています。例えば、最近では講師の方を招いて、「薬剤師のためのバイタルサイン講習会」という薬剤師向けの勉強会に参加しました。薬剤師が聴診器を使って患者様の血圧などのバイタルを測定するスキル向上の講習会で、この講習内容を日々の業務に役立てていきたいですね。
仕事も遊びも両立できるよう、会社がしっかりとサポートしてくれるので、自分自身の成長にもつながっていると感じます。
初めて感じた「薬剤師としてやりがい」
薬剤師としてのやりがいを感じる瞬間はどんな時ですか?
山本さん
やはり、患者さんから直接「ありがとう。」とか「山本さんのおかげで体調が良くなった。」と言ってもらえた時は、この仕事を選んで良かったと感じますね。特にターミナルケア(※2)の場合は、医師にはなかなか言えないような悩みも相談される場面もありました。薬剤師として、患者さんの心に寄り添える立場であることは大きなやりがいですし、患者さんからいただく言葉は、モチベーションになっていますね。
※2…病気が進行して治療による回復が見込めなくなった患者に対して行われる、最期の時間を穏やかに過ごせるようにするためのケアのことです。「終末期医療」とも呼ばれ、主に患者の痛みや不快な症状を和らげる「緩和ケア」が中心となります。QOL(生活の質)を高めることや、患者の身体的な痛みだけでなく、心理的、精神的、社会的なサポートも重要な要素で、医療チームや家族が連携してケアにあたります。
ターミナルケアで大切にしていることはありますか?
山本さん
ターミナルケアでは、薬剤師としての役割がただ薬を届けるだけでなく、患者さんとその家族の希望や思いを尊重しながらケアを進めることを大切にしています。また、ターミナルケアにおいては医師や看護師などの他職種と連携しながら、チームで一丸となってケアを行っていますので、僕も、その一員として患者さんの状態を的確に把握し、最適な治療を提案するサポートをさせてもらっています。いろんな領域のプロフェッショナルな方々が、それぞれの強みを活かしながら、患者さんとその家族を支えるために全力を尽くしています。その一員であることに、大きな誇りを持っています。
薬剤師は患者さんとの距離が近い職業なんですね。
山本さん
そうですね。世間では「医師の指示通りに薬を出すだけ。」というイメージがあるかもしれませんが、実際にはもっと深いところで患者さんをサポートしています。医師からの指示に基づく処置だけではなく、患者さんの生活習慣や服薬状況を正しく理解し、最適な治療をサポートするのが私たちの仕事です。例えば、患者さんが訴える体調不良や症状の小さな変化に気づき、それが薬の副作用や相互作用に関係しているのかを判断するのも薬剤師の大切な役割だと思います。特に在宅医療の現場では、患者さんの生活環境や家族のサポート状況を見て、無理なく薬の管理ができるようなサポートを行うこともあります。薬を出すだけではなく、薬が本当に患者さんに合っているか、そしてその薬が正しく使用されているかを確認しながら、常に寄り添う存在であることが重要だと感じています。
くるーず薬局のいいところってどこ?
くるーず薬局の雰囲気や、社内文化について、どのように感じていますか?
山本さん
くるーずは本当に人が温かいんです。社長をはじめ、スタッフのみなさんのプロ意識や患者さんへの対応力には惚れるというか、本当に尊敬しています。社員同士のコミュニケーションもスムーズで、困った時にはすぐに助け合う文化が根付いています。面白そうなアイデアがあちこちで発生している会社だと思います。その周りにはいつの間にか人が集まってきて、若手の僕でも意見が言いやすい環境なのはすごくありがたいですね。
先輩との関係も良好そうですね。
山本さん
はい、人間関係で悩んだことはないです。先輩方は、本当に親切で、丁寧に指導してくれたり、気にかけてくれたりするんです。定期的に社内スタッフでスポーツ観戦をしたり、食事に出かけたりもするので、プライベートの悩みも相談できることはありがたいです。僕も、後輩ができたら同じようにサポートしていきたいなって思っています。
後輩育成にも興味がありますか?
山本さん
まだ薬剤師の後輩をもったことがないのですが、今後はチーム全体を引っ張っていけるような存在になりたいと思っています。僕がくるーずで経験したことや先輩たちから教わったことを、次の世代にもつなげていけるような役割を果たせたらいいなって思います。
くるーず薬局がさらに発展していくために、どのような取り組みが必要だと考えますか?
山本さん
くるーずで働くことが「カッコいい」って思われるような環境を作りたいですね。たとえば、さらに研修制度を充実させたり、チームで成長していける仕組みが整えば、もっと魅力的な職場になると思います。仕事のやりがいが感じられて、みんなが成長できるような職場にしていきたいです。
それは素晴らしいビジョンですね。
山本さん
働く人たちが強みであることは、全スタッフ共通で感じていると思います。社長の芳川さんが、仕事でもプライベートでも面白いことを常に探して、ずっと動いているアクティブなタイプの方なので、今後くるーずはもっと良い方向へ進むと思っています。今回のFREERUN JOURNALも新たな取り組みの一つだと思いますし、くるーずが開催しているイベントや、在籍しているスタッフの人柄が伝われば、くるーずのブランドやイメージがもっと具体的に伝わるだろうなと思い、とても楽しみですね。
最後に
今回のインタビューを通して、くるーず薬局の人間味や職場環境の良さが伝わってきました。これを読んだ学生さんたちにも、働きたいと思ってもらえるような内容になりそうです。
山本さん
ありがとうございます。僕も今回のインタビューを通して今後やりたいことが明確になった気がしますし、くるーずの魅力が少しでも多くの方に伝われば嬉しいです。