MUSICRUISE! vol.12 蓮沼執太 – RAW TOWN
くるーず薬局の薬剤師であり採用広報担当でもあり(たまーに)アナログDJでもある高橋が、
毎月自身がヘビロテしている1曲をDJ BASSYとして紹介する定期連載!
2025年8月のMUSICRUISE!
蓮沼執太 – RAW TOWN

かつて20代のころ、大学を卒業してすぐの2年弱、東京に住んでいたことがありました。
兵庫の田舎出身で、何とか頑張ってバスに乗って1時間の姫路の中高に通って、都会にあこがれ京都にこだわって大学進学。最高(最悪?)のモラトリアム期を経て、ついに東京まできたか…と感慨深かった社会人1年目。
引っ越してから入社式までの1週間はとにかく都心をうろうろしたのを覚えています。1日中朝から晩まで名前だけ聞いたことがある駅に降りては散歩して、東京という街をマッピングしようと必死でした。
不安の中始まった仕事も外回りが多く、都内を縦横無尽に行き来している自分に対して「東京してんな~」と少し悦に入って調子に乗っていましたね。
結局その後、例に違わず結局東京になじめず関西に逃げ帰るのですが…。
…と、とにかくその二年間はお金もないので東京の街を散歩するのがもっぱら週末の過ごし方でした。
ある日は代々木上原から渋谷を抜けて麻布や六本木、最後は新橋あたりまで行ったような記憶が…。
東京に自分が住んでいる、ということを実感するために必死だったのかもしれません。
自分語りが長くなってしまいましたが、そんな時期の記憶をはっきりフラッシュバックさせてくれるのがこの曲。
蓮沼執太さんは1983年生まれ、日本を代表する音楽家・アーティスト。
作曲家として幅広いジャンルに作品を提供する一方、自身のプロジェクト「蓮沼執太フィル」を主宰し、大編成のアンサンブルによる独自の音楽表現を展開しています。
さらに、サウンドインスタレーションや舞台芸術との協働など、音楽を軸にしながらも多分野に活動を広げ、国内外の美術館や音楽祭で作品を発表。
とにかくセンスが爆発しているアーティストです。
そんな蓮沼さんの2017年1月1日発売のアルバム「メロディーズ」に収録されているこの曲には東京の地名、駅名、通り名、路線名がどんどん出てきます。Jpop特有のキャッチ―さにのり、アップテンポにどんどん流れていく東京の街並み。まさしく私が刹那暮らした東京の街の思い出そのものなのです。
丸の内中央口
雨の中皇居方面へ
日比谷通り和田倉門
千代田線二重橋前駅の
6番口階段下って
改札からPLATPHORMに
「多摩急行小田急線の
唐木田行きに乗ってきて」って
小田急ユーザーの私にとって、この東京駅から千代田線に乗り換えるところがもう全部景色が浮かぶんです。
それから何度も仕事や旅行で東京には赴いていますが、今でも時間があれば東京の街中を歩きたい。
今年も涼しくなったら東京の街を散歩したいと思います。
ちなみに、「メロディーズ」は私の人生においても屈指の極上ポップスなのでぜひアルバムすべて聴いてみてください〇